武禅館設立記念8月30日!9年目を迎えての転換

お陰様で武禅館は9年目を迎えます。
これも一重に皆様のご支援、武道愛の賜物です。ありがとうございます。

さて、武禅館も年数を重ね、技術レベルも大きく向上しました。
それに伴い、子供達は上達した子と、そうでない子との差が大きく開きました。

武禅館は、子供には「イジメをしない、させない」、大人には「30代から輝く空手」をキャッチコピーに運営を行っております。
また、「武は禅なり」という理念の下、「禅とは己の非を見出すこと」と定義しております。

差が開くということは、子供達に課題や反省を充分に与えられていないことにあります。

9年目は「課題、反省」をテーマに、以下の転換を致します。

精神教育の徹底

▼武術教育憲章と道場訓の読み上げの必須化

武禅館では“武術教育”として、日本古来よりの精神性理解を促す“道場訓”、社会性を向上を促す“武術教育憲章”と二つの訓示があります。

稽古前に武術教育憲章を読み上げて社会性を学び、稽古後には道場訓を読み上げて「力とは何か?」と自問自答してもらう作りになっております。
今までは昇段審査でのみ筆記テストとして出題しておりましたが、成長過程において自制心を高めることこそ必要であると判断し、全会員暗記という心構えで読み上げを、6月より行っております。

訓示については以下の通りです。

道場訓(道場生心得)武禅八修身
一、武は国生みの叡智なり。一、武は禅行なり。 一、武は文武不離一体なり。 一、武は社会貢献なり。 一、武は神仏、歴史、人なり。 一、武は自然の理合なり。 一、武は己が非なり。 一、武は手を以て空を知る道なり。

【道場訓における理念】
武術教育の目的というのは、一重に心の器を広げる行為です。
また、日本の伝統的価値観というものは正義感をもたないことにあります。

正義という考え方は、所詮、自己や共同体において生まれる概念でしかなく、正義に反する悪を除外する排他主義の根源となります。
正義の反対は悪ではなく、もう一つの正義であることを知ることが武術の目的であると私は考えています。 そうした主義の上位概念を空と捉え、その下位概念として八文に表しました。

武術教育憲章
第一条(目的) 武術修行を通じ、人格形成を目指す。 第二条(心構え) 道場訓を理解し、礼節、倫理を身につける。 第三条(稽古) 師の教え、礼儀、基本を守り、心技体向上を目指す。 第四条(競技) 勝敗に拘らず、ルールを守り、節度ある態度で臨む。 第五条(稽古場) 礼儀と規律を守り、静粛、清潔、安全を心がける。 第六条(仲間) 自分本位にならず仲間を思いやり、感謝の心を養う。

【武術教育憲章における理念】
武術を学ぶというのは、ある意味で力の使い方を学ぶこと。 それを武力とするか、暴力とするかは、人と人との調和がとれるか否か。

人が人であることを認識できるのは人だけです。 それは社会という共同体があるからこそ、人を見て己は人であると認識できるのです。
その共同体との調和ができなければ、力はすぐに暴力と化します。
武術こそ社会との調和が必要であり、決して非日常化してはならないと考え、6つの憲章を定めました。


昇級審査の質の向上
▼課題型の完全必須化


問題点…今までは「できない子に自信を」というテーマで、課題の5割を達成できれば昇級となっておりました。
例えば、青帯の課題型はピンアン初段です。
順番を覚え、膝関節をまげていれば、見た目は下手であってもC判定評価と合格としていました。

しかし、ここ1年以上、選手クラスを実施し、登録選手に触発されて一般生徒からも上手な子が台頭してきました。 課題への基準値が低いということは、上手にできた子を評価していないことと同じともいえます。

また、同時に、いわゆる“上達していない子”に誤った自信を与え、実力の伴わない尊大な心を植え付けるキッカケになる危険性もあります。
今こそ、転換期であると痛感し、以下、変更を致します。

変更点…課題型の9割達成を必須とします。

型には順番だけでなく、速度や個々の関節の角度に決まりがあり、それらの決まり事を実戦同様に敵を鮮明にイメージする必要があります。

それらをよりシビアに見られるよう、全空連公式試合同様、二人ずつの発表とし、其の場で判定結果を出させて頂きます。

それにより審査員の負担も減り、より集中しやすい環境となり、公平な審査を実現できます。
生徒側は、課題型はあくまで達成すべき“課題”ですので、順番だけでなく、個々の関節の角度の再現ができない場合、不合格となります。
速度、イメージ力などは先天的な要因が大きい為、不問とさせて頂きます。


▼年一回、大会形式での審査会
問題点 武禅館では前述の通り、「イジメをしない、させない」と銘打っております。 既に自信を失っている子供達が多く集まっています。
そうした背景から、大会出場は任意としていたので、100名以上が在籍しているにも関わらず、出場者は多くて10名程度という問題がありました。

しかし、大会出場は勇気を養う場でもあります。
空手を習う以上は、一生に一度以上は大会出場しないと後悔が残ります。

変更点…年末の昇級審査を組手大会形式(原則参加)といたします。
この形式の審査を行うことにより、勇気を養い、
また大会への興味を与えたいと考えています。
基準に関しては、勝敗は問いません。ただ試合において1ポイントも奪取できない場合は不合格という形となります。 指導員の質の向上


平成30年7月30日
日本武術教育振興会
総合空手道武禅館
館長小池一也


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